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尾神嶽
尾神嶽(おがみだけ)に建立された報尽為期(ほうじんいご)の碑
明治の本願寺両堂再建を支えた門徒衆と殉難死
所在地 新潟県上越市吉川区尾神
問合せ先 「高田教務所」 上越市寺町2-24-4  TEL 0255-24-3913
「スカイトピア遊ランド」 上越市吉川区 TEL 0255-47-2221
アクセス 車:北陸自動車道柿崎I.C.から車で約1時間
国道8号線旭町交差点を吉川方面へ5.6Km→吉川地区原之町交差点左折5Km→東寺バス停→案内板に従い3.7Km→「尾神岳観光施設看板」左折1.5Km→見はらし荘

あるいは柏崎駅から353号線を尾神嶽方向へ約1時間、案内板から徒歩10分
駐車場 「見はらし荘」前に約20台(マイクロバス以下)
紹介資料 「尾神殉難 おおぞりは見ていた」VHSビデオ
  発売元:すねいる ¥4935(税込)
尾神嶽雪崩事故の詳細な説明を地図や資料をまじえて解説。
「報尽碑」「おおぞり」「毛綱」の他に、実際に搬送ルートを訪ねた映像があります。
付近地図

 由緒沿革
 東本願寺御影堂と阿弥陀堂は、慶長7(1602)年徳川家康から土地の寄進を受け、現在の烏丸六条に建立されてから4度の焼失と5度におよぶ再建を繰り返している。特に元治元(1864)年蛤御門(はまぐりごもん)の変による4度目の焼失後の両堂再建は、明治維新の激動下、神仏分離令の発布や、各地の廃仏毀釈の動きもあり、厳しい状況での大事業となった。
 両堂の再建には大量の用材が必要となった。しかし、用材の運搬にともなう事故も後を絶たず、明治12(1879)年再建の「発示」から、明治22(1889)年の10年間に、死者105人、負傷者292人がでている。
尾神嶽 そのなかでも一番大きな事故は、明治16(1883)年3月越後国中頸城郡尾神嶽で起こった殉難死事故であった。3月12日朝方、欅の巨木を46ケ村から大動員された2000余の門徒衆が3m余積もった雪をかんじき(履物)で踏みしめながら運搬していた。午後2時ごろ、尾神嶽の中腹「吹切」を通った際に、突然幅約200m、長さ100m以上の大雪崩が起こった。逃げ遅れて埋まった人たちを、近くの村人が救助したが、不幸なことに重傷者約50人、27名が殉難死を遂げた。この27名のうち、16歳以下が16名、2歳から4歳の幼児が4名と記録されており、家族総出で運搬に携わっていたことがわかる。その後、その巨木は御影堂上層屋根の隅木4本のうちの1本として使われ、発令から16年を経た、明治28(1895)年に両堂の落成となった。

 実際に尾神嶽での巨木の運搬に使用された大橇(そり)が、柿崎町岩手集落(現上越市柿崎区)の円田神社から発見された。刈羽郡石黒村(現柏崎市)の田辺重栄と田辺重五郎両氏の寄付で作られた、歴史の生き証人のようなこの大橇は、高田教区坊守会の尽力で、昭和36年親鸞聖人700回御遠忌の記念に本山に寄付され、現在は本山で展示されている。
 高田別院をはじめ、中頸城郡北部の寺院や門徒たちは、27名の殉難死に報いるため、熱意ある働きかけをして、事故現場近くの嶽の中腹に、「報尽為期(ほうじんいご)」の碑を建立した。「報尽」は仏恩報尽の意であり、「為期」は「期(ご)と為す」で、期待される、願われるの意であり、この碑を縁として殉難された人々を思い、真の念仏者となってほしいと仏から願われているという意味でこの碑の名が選ばれたものと思われる。その大きさは、縦133cm、横73cm、厚さ40cmのどっしりとしたもので、高田平野を一望できる場所に建っている。
  昭和31(1956)年にこの碑を再発見し、世に尾神嶽殉難を伝えた、糸魚川の真宗史学者佐藤扶桑(ふそう)師は、尋ねる者も少なくなり、雑草が生い茂った碑を前にして「殉難死からわずか73年、殉難の事蹟が忘れ去られた所以が諾(うなず)かれた。それは何も求めなかった為めである。この頃は頻(しき)りに求める。飽くまでその責任を追求し、補償を要求する。しかしこの人達はその当然のことを求めない。求める必要のない程に満たされたものを持っていたのである。この人達には死という事も、さほどに悲しみ騒ぐべきものではなかった。私は唯一筋に安養に向うものの姿を想念する。稀にここを訪ね詣づる人があるならば、其人は必ず還相廻向の生身の菩薩に値遇した感に打たれ、不思議な説法を聞くであろう。」と書いている。
 その後、地域の人々の手によって報尽為期の碑は護持されるとともに、両堂再建に命をかけた人々の信仰を語り継いでいる。この碑に実際に足を運ぶとき、当時の人々の苦労に思いを馳せ、そこから生きる足元を見つめる機会となることだろう。

   
遭難現場入口 報尽為期の碑



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