毎年8月14日に京都府亀岡市でおこなわれる佐伯灯籠は、薭田野神社、御霊神社、若宮神社、そして河阿神社という4つの神社が合同でおこなうお祭りです。お盆におこなわれ、盂蘭盆会の灯籠行事とともに、五穀豊穣を祈願するお祭りとなっています。国の指定重要無形民俗文化財ともなっているこのお祭りは、人形浄瑠璃がおこなわれることで有名です。
文楽完成以前の形を残す国内唯一の人形による浄瑠璃
しかしその人形浄瑠璃は、他とは一味違ったものです。というのも、この浄瑠璃は一人遣いの人形を使用しておこなわれるのですが、この人形が文楽完成以前の形を残す国内唯一のものといわれているからです。ちなみに文楽とは人形浄瑠璃の一系譜で、江戸時代に大阪で生まれ、現在では人形浄瑠璃の代表のように扱われるものです。つまり、そのような希少価値の高い人形が見られるということで、多くの人がこの祭りを、浄瑠璃目当てにやってくるのです。